相変わらず元気にお仕事させていただいてます。
少し前に依頼を受けたSR500。
社外のキャブが入っており、少し前に車検は取得したものの調子がいまいち。そして始動が困難になり入庫したんですが、当店でも最初はエンジンかかったり止まったりしてまして、「最近までキャブの調整かなー」なんて思ってたんですが、そのうちいよいよエンジンの始動が悪くなる。
点火もしてるしキャブの清掃もしてるのにエンジン不動。圧縮を計測してみたら8kgf/㎠~9kgf/㎠。
SR400も500も基準値は10.5kgf/㎠だと思ってたんですが、古いサービスマニュアルでは9kgf/㎠の記載があるとか。
まぁ8から9って少し低い気はします。ただ、エンジン全くかからないほど低いかと言われると意外とかかってしまったりするんで「これが直接の原因じゃないな」とは思ってたんですよ。
んで、なんとなくシリンダーヘッド周りを見てたら、ヘッドのスタッドボルトに締まってるはずのナットが緩んでたんです。
「こんなとこ普通緩むか?」と思いながら増し締めしようとしたら、スルスルとボルトが上がってきてしまう。
「あれ?これスタッドボルトが緩んでない?」なんて思って抜いてみたら、ボルトの山にシリンダー側を削った切りカスが…
これはシリンダー側のネジ山を修正しないと駄目なパターンですな。
SRはクランクケースまで貫通してるボルトと別にシリンダーから生えてるボルトがヘッドカバーを止めてます。
そしてSR400はあんなにスカスカに見えますが、エンジン降ろさないとヘッドカバーすら開けられません。
なのでこうなりました。
短気筒なんで降ろすのは30~40分もあればいいんですが、なんせ重いですからね。
それでも400シングルなら40代のオッサンでも一人で持てますが。
これはやってますな。
シリンダーとヘッド止めてるスタッドの4か所のうち1つのナットが緩んでてもエンジンはかかるんですな。なんかヘッドとシリンダーの間から圧縮抜ける気もしますけど。
燃焼室にガソリン注いで排気側のポートからエアを送り込んでみたらバルブとバルブシートの間から細かい気泡が…。
とはいえオーバーホールとかシートカットと擦り合わせ直後でもないので、長く使ってれば多少は抜けるかなと。ホントに抜けてたら8kgf/㎠も出ないしもっと派手に大きな気泡出てきますし。
とはいえせっかく開けたので2本ならシートカットして擦り合わせしといた方が良い気もします。
近くでお世話になってる内燃機屋さんに持ち込んでネジ山の修理ができるかとシリンダーやヘッドも見せてみるかな。
とりあえずエンジン降ろすと2台分のスペースを埋めてしまうんですが、そんな中で降ろさないまでも腰上やる羽目になったW650。
こっちはお客さんからの依頼とは別に同業者さんからの外注整備依頼ですが。
ベベルギアのバックラッシュ音が酷いんですが他にも音がしてる気がするし、バックラッシュ音も調整で直りそうな感じでもないんでベベルギアごと交換も視野に開けてみることに。
W650はカムチェーンの代わりにベベルギアでカムシャフトを駆動してるので他になかなか見ないタイプのエンジンですな。
昔のドカティとかベベルですけど。
ヘッドカバーをサクッと外してみたら…
写真だとちょっとわかりにくいんですが爪で触ると一発で傷だらけなのが分かります。
ロッド側のギアも覗いてみる。
ライト当てたほうが傷分かりやすいかな。
これクラッチカバー側もあるので少々面倒です。
最近は依頼台数は少し落ち着いてきましたが作業内容の重い車両が残ってる感じです。
合間にバイク売れたりなんかもしてるんですが、もう少し預かり減らして在庫を増やしたい願望もあったり。
そんな中、中古車一台仕入れました。
CB400SFのバージョンSです。
実はお客さんから頼まれて探してきて仕入れたんですが、その直後にキャンセルされたという不遇な子です。
車体396000円で出してます。気になった方は問い合わせください(笑)
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