新年4日から営業しております。
年末に預かり車両は少し片づけまして店内にスペースの余裕はできてたのですが、年明け早々に早速数台の依頼を頂きました。
昨年末にYSR80のクラッチオーバーホールを依頼いただいたお客様から「年明けくらいにカブのボアアップキットを組んで欲しい」という話を頂いてました。
一応、事前にいくつか注意事項というか、社外のシリンダーキットの信頼性は未知数なのでリスクもあるという事をご了承いただいた上で、お受けしました。
まずはシリンダー抜くためにマフラーやキャブなどをサクサク外していきましょう。
とはいえカブは整備性抜群なのであっという間にシリンダー抜けますが(途中経過を撮り忘れてただけです)
キットのパーツ確認。
キットと見比べても明らかにボア径違いますな。
新品ピストンを組みつけました。
ピストンピンのサークリップは入れるのに若干のコツを要しますが、無理に力をかけ過ぎると簡単に曲がってキチンとはまらなくなるので加減しながら入れるのと、万が一外れて勢いよく跳ねて紛失したりしても面倒なので、指も上手く使いながら入れていきます。
シリンダーもはめ込んでいきます。
単気筒のピストンなら指でリング押さえながら簡単に入りますが、4気筒だと若干のコツと焦らない冷静さを求められます。
4輪のエンジンみたいにピストンとコンロッド分離した状態でリングコンプレッサー使ってシリンダーの上から挿入したりするケースだとラクですが、2輪で4気筒エンジンの腰上だけバラす時は結構ここで難儀しますな。
自分はタイラップとペットボトル加工したコンプレッサーと全ネジのガイドボルトで毎回インサートしてますけど。
んー、75㏄のはずが打刻が49㏄なのは成形の型の都合?
というか、このシリンダーは鉄製なんですな。社外だとアルミシリンダーに鋳鉄スリーブってイメージでしたが、カブはやっぱり程よくサビてる鉄シリンダーがシックリ来ますな。個人的な好みですが。
外す時に「あれ~?」と思いつつ外してたんですが、組みながら上死点合わせてカムスプロケット組んでみたら、やっぱりカムスプロケとカムチェーンのコマが一コマずれてたんじゃない?という気がしました。
とりあえずエンジンかかる所まで組んだらプラグ抜いた状態で空キックしながらオイル回します。
組みつけの際にオイルは塗りながら組みますが、オイルラインにオイル周るまでタイムラグありますし。
…まぁキックと言ってもカブですから手で回してたんですけどね。
とりあえずしばらくアイドリング安定してたんで明日は試走ですな。
単純に排気量が1.5倍なのでキャブのジェット類のセッティングも必要になると思いますが。
新年早々、預かり車両がポツポツ入ってますが、アドレス110とかCBR400Fとか、キャブ車の始動不良が多いです。
実は現在他にも預かってるバリオスⅡも長期預かりで故障診断に手間取ってドはまりしてるので、そっちもやらないといけない。
アドレスもCBR400Fもとっくに部品は廃盤になってる年式なので、どこまでできるか不明ですが、見もしないうちから敬遠して断るよりは、見てみてやれることやってダメならゴメンナサイ…の方が正解かな?と思っております。
「ウチで買った車両じゃないから」
「個人売買で現状販売で買ったのは請けない」
「今忙しいから請けれない」
バイク屋だと結構よく聞く断り文句で実際それが通ってしまう業界でもあるんですが、個人的にはそれだと「転居したらバイク見てくれる店なくなっちゃうよ」「誰から買ったかはバイクに罪は無いよ」「忙しいなら順番待ちじゃダメなの?」と言われた時に「確かに」と納得してしまい反論できない自分がいるので、基本スタンスとしてプライムガレージが断る車両は「違法改造車を違法状態のまま返す場合」「当店では整備不可能な(設備、技術的に)依頼」だけです。
違法改造に関してこればかりは、さすがに国土交通省に認証工場として届け出を出してるので、最低限守るべきラインは崩せないので。
整備不可能なケースとしては以前一件だけお断りしたのは、中国製のバイクで部品の入手手段が無い車両の稼働整備依頼がありました。
部品の供給が確立されてないと、さすがに無理かな?と。
カブ終えたら次はアドレス110ですが、不具合の原因はわかってんですよねぇ。
十中八九、オートチョークなんですが部品が廃盤で入手不可能なので、どうにか始動だけでも改善できないかなぁ。
2ストのアドレス110とか自分がこの業界入った時からありますからね…
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