バイク屋の工賃

作業日誌 日々の出来事

今週はバタバタとタイヤ交換が来た1週間だったんですが、なかなかハードな奴も中にはいました。

これフォルツァZですけど前後共にツルツルの丸坊主だったんですがカーカス見え始めてバースト寸前でしたな。
4輪だとたまに外から見えにくい内側だけ偏摩耗とかあるんですけど、バイクでこんな減り方と変形するってのは空気圧管理でしょうな。
タイヤついでにキャリパー外したらパッドもベースプレートのギリギリまで使ってたのでパッド交換も同時にした方が良いと連絡して同時交換。

で、作業はおかげさまで依頼たくさん頂いてるのですが、写真撮ってる暇がないというか忘れて没頭してる事が多いので、今日は小ネタを。

バイク屋の工賃ってどうやって計算してるかご存じでしょうか?

ショップによって算出方法は色々あるというか、中には大体テキトーに所要時間でレバレートかけて計算なんてショップもあったりするのですが、プライムガレージではこんなの使ってます。


これはカワサキが出してるフラットレートマニュアルって奴です。

そもそも、ショップごとに1時間当たりの工賃は好きに設定してます。
時間工賃7000円とか8000円とか、外車ディーラーだと1万円超える店とか。

それを作業に要する時間で掛けるのですが、実時間で掛けてるわけじゃなく一応の基準がメーカーごとに設定されてます。
他のメーカーはパーツリストに作業時間が記載されてたりしますが、カワサキはこういう冊子を発行してるんですな。
これは自分がまだカワサキの代理店で勤務してた頃に譲ってもらったまま、ずーっと捨てずに残ってたモノなんでだいぶ古いです。2000年版だったかな?

ウチはメーカー代理店じゃないので全ての車種のパーツリストやサービスマニュアルを持つことも非現実的なんで、基本的にはこれを参考にして設定時間を決めてます。

中開くとこんな感じ。

車種ごとにジョブコードという作業部位それぞれに標準作業時間をカワサキが設定してます。
なので自分は例えばXJRだったら同じ空冷4気筒のゼファーとかを参考に工数を算出してます。

ところがですね、このメーカーの標準作業時間って、カワサキの場合は「カワサキ車の整備経験2年のメーカー整備士が作業した時間」で計算されてます。
毎日カワサキ車を整備してるメーカー整備士の時間なので、大半の項目は「実際そんな時間でできるかい!」なんて項目も中にはあったり。

一応、これも「実時間+予備時間」で計算されてるらしいんですけどね。
予備時間ってのは、作業の準備とかも含めて余裕持った時間を考慮してるってことです。

とはいえ、これはあくまで「新車状態」での話。

例えばこれ

ゼファー1100とかカムチェーンガイド交換で3.8時間とか出てます。
要するにシリンダヘッド抜いた状態ですな。

これ、ガスケット剥す時間とかオイルストーンかける時間とか入ってません。
実際にヘッド抜く作業になれば当然それらの作業が入るし、細かい点検もしながら進めるので、4時間弱で組み上がるってのは、相当慣れてないと際どいラインです。ヨーイドンで外して交換して組み上げるだけならこんなもんでしょうけど実際は汲んだ後に試乗やオイル漏れチェックも入るし。

なので、あくまで「参考数値」です。

ちなみにメーカーによっては「メーカー経験3年目の整備士に3回作業させた平均値」を標準時間に設定してたりするらしいですが、それはかなり非現実的な速さの時間が出ると思います。

とりあえず、こういうのを参考にした上で更に「重複する作業」は割引して計算します。
例えばフォークのオーバーホールついでにフロントタイヤ交換する時なんかは、フォーク抜く段階でタイヤ外してますし、フォークの作業時間設定の中にホイール脱着は含まれてるので「ホイールからタイヤ外して嵌めかえる時間」だけ加算して計算するわけですな。
まぁ、そのへんはショップ次第で中には細かい計算面倒だからと全部加算してるとこもあったりしますが。

プライムガレージでは、とりあえず自分が持ってるこの古いフラットレートマニュアルを基準にしてますが、これの難点が一つありまして…

えぇ、カワサキはスクーターをほとんど出してないので、ビッグスクーターとか原付の工数の参考値がわかりません。
こればかりは、もう自分が過去に在籍したショップで「大体これくらいの費用?」という時間で計算してます。
なんせビッグスクーターは外装脱着が骨なんで車種で全然時間が変わります。
フロントフォークを抜くのもフォルツァは外装外さなくてもクランプ緩めるだけで抜けますが、スカイウェイブやマジェスティはアッパーカウル外さないとトップキャップ抜けませんしね。
…自分はYSPいた頃に何度もやらされて面倒になり、手作りの特殊工具を溶接機で自作して使ってましたが、辞める時に置いて来ちゃったので、そのうち溶接機を導入した時に再度自作しようかなと。

…まぁ、そんな予定は今のところ無いんですが。

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