SR400のスイングアームピボット

作業日誌 日々の出来事

最近またパタパタと修理依頼の預かり車両が増えてきまして、なるべく早く完了して随時納車して行かないと店の中に収納しきれなくなりそうです…
と言うか既にパンパンなので新しく在庫増やすこともできません。

そんな中、実は少し前にクラッチのプレート交換をしたSR400のお客様が再度電話。
納車して間もなかったので「なにかまたクラッチに不具合かな?」と心配したのですが、どうも今度はスイングアームピボットシャフトのオイルシールがダメになったとのこと。
ご自身でグリスガンでグリスアップを試みたら、シールが押し出されてきてしまったという状態。
ヒアリングの段階でちょっと懸念材料もあるので、とりあえずスイングアームを外してベアリングの状態も同時にチェックしましょうと。

ちなみにこのお客様、このSRは遠方のショップさんで購入されたようで、配送されてきたバイクに乗ろうとしたらクラッチが張り付いててウチに電話かけて来たという経緯で、少し前に整備したんですね。
クラッチ修理の代金は保証でそのショップさんから当店に支払いがあったので、お客様的には負担はないのですが、もしかすると納車されてからお客さんが乗ってる期間より当店に預かってる期間の方が長いかもしれません。

とりあえず依頼のあったスイングアームのチェック。それとタペット音が結構出てるので同時にそちらも調整していくことに。

まずはサクサクっと後ろ足廻りバラしていきます。

阿部兄妹凄かったっすね。
…いかんいかん、どうもつい養生に敷く新聞を読んでしまう。
プライムガレージは新聞を契約してますが、自分が読むわけではなく単に新聞屋さんのオジサンが毎月集金のついでにオイル交換に来てくれるのと、こうして整備の中で下敷や養生に使えるからです。

んー。アクスルシャフトもサビてたしリアブレーキも掃除した形跡無いし、購入の経緯の内容を詳しくは聞いてませんが、多分納車直後のクラッチ張り付きも含めて考えると、納車整備無しの現状販売か消耗品交換のみのライト整備プランみたいな感じの購入かな?
チェーンに給油はされてたしオイルも換えてあったっぽいので。

シール変形しとりますな。

で…ヒアリングした時の懸念材料がこれ。

…ピント合ってませんが。

アームとピボットシャフトの隙間に入ってるブッシュ。
ここに小さな穴が開いてて、グリスニップルから押し込まれたグリスはここを通って行きわたるのですが、なんせ古い車種はこの穴が詰まってたりサビて目詰まりしてる事が稀にあります。
でも、予想に反して状態は悪くなかったです。虫食いや錆もないし。

チェックの結果次第ではベアリングも打ち換え検討しなければいけませんでしたけど、そうなると工賃も部品代も当然上がるので、使えるならグリスアップだけして再組付けですかね。

組付ける際にもちょっと注意点があって、スイングアームの両端にスラストベアリングがついてます。

こんなんです。
で、ここに0.3㎜くらいのシムが純正だと1枚噛ませてあって、スラストクリアランスってのを取ってます。
スイングアーム組んだ時にこのクリアランスが大きすぎるとガタが出ます。逆にキツ過ぎると動きも悪くなりスラストベアリング自体にも負荷がかかります。
なのでシムで調整するんですな。

とりあえず部品注文はしたので、あとは部品待ちになります。

ちなみに今回は自分が予想してるよりも状態は良かったんですが、SR400(SR500もですけど)は、結構このスイングアームピボットのグリス切れを起こしてる車両が多いです。
YSPとかヤマハ専門で扱ってるショップの整備士なんかの間じゃ有名なので、納車前整備の段階でグリスアップしたりしますが。

数日すれば部品も揃うのでしばらくお待ちください、ですね。

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